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研究と報告
大学病院および精神病院を退院した精神分裂病患者の治療状況について
A Follow-up Study of Schizophrenic Patients Discharged from the Neuro-Psychiatry Clinic in Medical School and the Mental Hospital
岩井 濶之
1
,
横山 茂生
1
,
鍋山 敏郎
2
Hiroyuki Iwai
1
,
Shigeo Yokoyama
1
,
Toshiro Nabeyama
2
1川崎医科大学精神科学教室
2岡山大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Kawasaki Univ. School of Medicine
2Dept. of Neuro-Psychiatry, Okayama Univ. School of Medicine
pp.25-33
発行日 1976年1月15日
Published Date 1976/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202427
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I.はじめに
向精神薬物療法の登場とその発展により,精神分裂病の治療形態は,従来の入院第一主義から外来治療へと,その比重が変わりつつあることは周知のことである1〜4)。もちろん,このような治療形態の変化にもかかわらず,精神分裂病の予後,特に寛解率は相変わらず30%前後5〜7)といわれている。しかし薬物による症状の軽減に比例して,不十分ながらも社会生活への適応性が増加し,その意味で,社会的寛解ということが臨床場面では大きな治療目標となっていることも事実である。さらに最近多くの人々8〜11)が指摘するように,服薬中断による再発という新しい問題を治療状況の中に惹起することになった。
慢性分裂病患者が大なり小なり何らかの精神機能の欠陥を残して長期間の通院と服薬を続けるには,主治医および家族をはじめ,患者をとりまく周囲の多くの人達の支持が必要であることは当然と考えられる。
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