Japanese
English
研究と報告
Diphenylhydantoin測定法の検討—紫外部吸収法の改良について
Improved Technique for Determination of Diphenylhydantoin in Serum by Ultraviolet Spectrophotometry
武者 盛宏
1
,
大平 常元
1
,
石川 達
1
,
青木 恭規
2
Morihiro Musha
1
,
Tunemoto Ōdaira
1
,
Tōru Ishikawa
1
,
Yasunori Aoki
2
1東北大学医学部精神神経科教室
2国立仙台病院精神科
1Dept. of Neuropsychiatry, Tohoku University, School of Medicine
2Clinic of Psychiatry, National Sendai Hospital
pp.1307-1311
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202408
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I.はじめに
われわれは日常の臨床場面から,てんかん患者の治療にさいし,規定の服薬量を用いておりながらその効果に差があり,また発育,妊娠,疾病など個体側の種々の条件の変化によってもその効果に差を来たすことを経験している。
最近では,抗てんかん剤の測定法の進歩とともに,薬物の代謝は種々の要因によって規定せられ,したがって投与量と血中濃度との関係も個人によって差のあること,また血中濃度と発作抑制効果および中志症状発現との関係,薬物の相互作用により代謝に影響を及ぼし血中濃度に変化を来たすことなど,臨床薬理学的な知見が得られるようになり治療面への応用も可能な段階となってきた1)。今後は血中濃度を測定することによって,個々の患者の代謝の側面を知り,薬物投与と臨床効果判定の間に血中濃度を指標として入れることによって,患者に見合ったよりきめの細かい治療の方向へすすむものと考えられる。
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