Japanese
English
短報
Haloperidolが著効を示したヘミバリスムの1例
Treatment of Hemiballism with Haloperidol
中島 良彦
1
,
佐々木 高伸
1
,
池田 久男
1
Yoshihiko Nakajima
1
,
Takanobu Sasaki
1
,
Hisao Ikeda
1
1岡山大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Okayama Univ. School of Medicine
pp.74-75
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202267
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I.はじめに
バリスムは,比較的急激に始まる四肢の投げつけるような粗大な動きを示す不随意運動である。通常高齢者に起こり,その不随意運動が新鮮例では1日中,深睡眠を除いてほとんど休みなく起こり,そのため全身衰弱に陥り,時には死の転帰をとることがあるため早期にこの不随意運動を抑制することが要求される。
これまでバリスムの治療にbarbiturate,bromide,chloral hydrateが使われ,睡眠に導入する以外には異常運動を止めることができなかったが,ある例では,chlorpromazineが有効なことが見出された1)。しかしこれもまだ十分とはいい難い面がある。
Haloperidolがハンチントン舞踏病,小舞踏病,Gilles de la Tourette病,チックなどの運動過多—筋緊張異常症候群に対してきわめて有効であるとの報告がなされているところから2〜6),同じ症候群に属するところのバリスムに対しても有効であろうと考えるのは当然である。しかしながら筆者の知るかぎりでは,haloperidolのバリスムに対する効果についての文献はみられない。われわれは,バリスムの1例にhaloperidolを試用し,非常に有効にこれを抑制せしめたので報告する。
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