Japanese
English
研究と報告
アルコール中毒患者の予後調査—断酒会との関係において
Follow-up Study of Alcoholism : In Point of Danshukai
佐藤 忠宏
1
,
唐住 輝
1
,
荻野 新六
2
,
鷲山 純一
2
Tadahiro Sato
1
,
Akira Karasumi
1
,
Sinroku Ogino
2
,
Junichi Washiyama
2
1日本医科大学精神医学教室
2大富士病院
1Dept. of Neuropsychiatry, Nippon Medical School
2Oofuji Hospital
pp.1167-1176
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202098
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I.はじめに
精神病院におけるアルコール中毒患者数は,年年増加の傾向にある。昭和44年度の厚生省の調査では昭和31年度の調査と比較すると実数で20倍,百分比で5倍増えていると報告されている。しかし,このような現況にもかかわらずアルコール中毒の治療に積極的に取り組んでいる精神病院は必ずしも多くはなく,またその予後もはかばかしくないのが現状である。アルコール中毒の治療には断酒に対する動機づけはもちろんのこと,社会復帰後の断酒継続のためのアフター・ケアが不可欠であることはいうまでもない。しかし病院とのつながりをもちながらアフター・ケアすることは種々の理由により困難な場合が多く,あまり熱心に行なわれていない。そこでわれわれは数年来入院中の治療からアフター・ケアまで,その治療システムの中に断酒会をとり入れ活用している。以下に述べることは,その治療システムによる治療の試みと予後についてである。
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