Japanese
English
研究と報告
強迫症候の臨床脳波学的研究
Electroencephalographic Study in Obsessive-Compulsive States
井上 令一
1
Reiichi Inoue
1
1順天堂大学医学部精神神経科教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Juntendo Univ. School of Medicine
pp.1071-1083
発行日 1973年10月15日
Published Date 1973/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202090
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I.まえがき
強迫観念の定義については,古くよりさまざまな論義がなされてきたが,現在もなお,一般に通用しているものの一つとして,古典的なWestphal,C. 1)(1878)のものがある。
すなわち,「知能はおかされず,感情状態または感動の状態に制約されてもおらず,当の人の意志に対立し,さからって,意識の前景にあらわれ,払いのけることができず,表象の正常な経過を阻止し,さまたげるものである。この強迫観念は,その当の人にとっても異常なもの,異物のごときものとしてみとめられ,これに対しては,健全な意識をもって対立しているものである」。
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