Japanese
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特集 カルバマゼピンの向精神作用
情動障害に対するカルバマゼピンの効果と脳波変化
Effects of Carbamazepine on Affective Disorder and EEG Changes
赤沢 滋
1
,
井上 令一
1
Shigeru Akazawa
1
,
Reiichi Inoue
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
1Department of Ncuropsychiatry, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
Carbamazepine
,
Affective disorder
,
EEG
,
Slow EEG activity
,
Paroxysmal EEG activity
Keyword:
Carbamazepine
,
Affective disorder
,
EEG
,
Slow EEG activity
,
Paroxysmal EEG activity
pp.1275-1284
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203682
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抄録 Carbamazepine(CBZ)を躁うつ病患者に投与し抗躁効果,躁うつ病相の予防効果を認めたとの報告がみられるが,CBZが古くから基礎波を中心とした脳波変化を惹起することが知られているにもかかわらず,CBZが治療対象となった躁うつ病および躁,うつ状態の脳波所見についての報告は乏しい。われわれはbipolar disorder 5例,major depressive disorder 2例,schizoaffective disorder 2例にCBZを投与し臨床効果と脳波変化について検討した。以上の9例中8例でCBZ投与により症状の軽快を認め,脳波では基礎波の徐波化が示された。さらにその徐波群が過呼吸により著明に増強され,しばしば突発性徐波として出現した。上記の脳波変化は臨床効果のみられた時期に一致して出現し,持続する傾向があった。以上から情動障害を主症状とする疾患群でCBZが有効に作用し上述の脳波変化を示す一群は臨床的にもいくつかの特徴を示し,より生物学的な規定性をもつと推定された。
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