Japanese
English
研究と報告
ターナー症候群の脳波学的研究
An EEG Study of Turner's Syndrome
岡田 滋子
1,2
,
坪井 孝幸
1
Shigeko Okada
1,2
,
Takayuki Tsuboi
1
1東京都神経科学総合研究所社会医学研究部遺伝学研究室
2順天堂大学医学部精神医学教室
1Department of Human Genetics, Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
2Department of Psychiatry, School of Medicine, University of Juntendo
キーワード:
Turner's syndrome
,
Sex chromosome abnormality
,
EEG
,
Basic rhythni
Keyword:
Turner's syndrome
,
Sex chromosome abnormality
,
EEG
,
Basic rhythni
pp.1123-1133
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204018
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抄録 デンマークのターナー症候群64名と,年齢をマッチさせた対照群62名について脳波学的研究を行なった。ターナー症候群の脳波基礎律動の特徴は,①α波は周期が速く(10.5Hz以上),低振幅(20μV以下),少量(30%以下)で汎性に出現,②β波は周期が遅く(14〜18Hz),比較的高振幅(20〜50μV以上),多量(50%以上)で汎性に出現,③θ波は多量(30%以上)に出現する,④優勢律動はより速く,加齢による変化がより顕著である。以上の諸特徴は,45, X核型群で他の核型群に比べより定型的である。著明な左右差がターナー症候群15名,対照群3名に認められた(P<0.01)。左右差は後頭部(P<0.01)と頭頂部(P<0.02)で特に顕著であった。脳波の判定結果には両群間に大きな差は認められなかった。
これら脳波所見と神経心理学的検査結果との関連について考察し,ターナー症候群は脳のとくに右半球後頭部および頭頂部に機能的障害を有すると結論した。
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