Japanese
English
研究と報告
分裂病患者の出生順位に関する研究—第1報
Birth Order and Schizophrenia : I
中西 俊雄
1
,
斧 美穂子
1
,
新井 俊一
1
,
八尋 華那雄
1
Toshio Nakanishi
1
,
Mihoko Ono
1
,
Shunichi Arai
1
,
Kanao Yahiro
1
1杏林大学医学部精神神経科教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Kyorin Univ. School of Medicine
pp.845-851
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202062
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
従来,内因性精神病と考えられてきた分裂病の家族研究が,この30年来行なわれてきた。分裂病の発病と出生順位,母と子,両親と子,欠損家庭との関係等多くの研究がなされ,いろいろな説が唱えられているが,それには,当然のことながら,相反する学説もあり,決定的な結論に到達するには程遠い感がある。その中にあって,発病と出生順位との関係は,最も解析しやすい関係であるが,これさえもいろいろな説があって,一定した見解には至らない。
分裂病患者の出生順位に関する研究は,20年余り前からかなり活発に行なわれ,Wahl,Schooler,Gaudill,日本では井村ら1)や山口ら2),国立精神衛生研究所の研究者3),その他の研究者達4)によってなされた。中でも,Schooler5)の研究は,最も代表的な研究の一つで,分裂病患者の出生順位に関する研究論文の中に,しばしば参考論文として引用されている。また,推測統計学的研究方法を導入したものとして高く評価され,その後の多くの研究6〜8)には,彼の用いたχ2検定法(Chi squarecriterion)が用いられている。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.