Japanese
English
研究と報告
分裂病と同胞順位—発現率および病像との関係
Schizophrenia and Birth Order
小川 信男
1
,
越智 浩二郎
2
,
山本 和郎
3
N. Ogwa
1
,
K. Ochi
2
,
K. Yamamoto
3
1泉保養院
2東京大学教育心理学科
3国立精神衛生研究所
1Izumi Sanitarium
2Dept. of Educational Psychology, Tokyo Univ.
3National Institute of Mental Health.
pp.587-593
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200734
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Ⅰ.はじめに
本研究は日本の古い封建的閉鎖的農漁村を主とする地域における分裂病者の家族関係の研究の一部として,とくに同胞順位と発現率および病像との関連について推計学的検定をこころみたものである。少数例であるけれども,ある傾向が認められたのでここに報告する。
分裂病において家族関係の問題が病因的な意味をもつとすれば(Lidzその他),特定の文化において,とくにわが国の古い家族制度の背景のもとに,何か特色が見い出されないだろうか,さしあたつて同胞順位と分裂病との間になんらか有意な関連が見い出されないだろうか,というのが私たちのねらいであつた。そしてそれがpathoplastischな意味のものばかりでなく,pathogenetischな意味をもつと解されるとすれば,それは家族問題の病因論的役割のひとつの傍証であるのみならず,そこから分裂病本態論に入り込むひとつの有力な手がかりを提供すると思う。
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