Japanese
English
研究と報告
嗜癖者多発家族の研究
A Study of a Family which All Family Members are suffering from Addiction
大原 健士郎
1
,
宮里 勝政
1
,
本間 修
2
Kenshiro Ohara
1
,
Katsumasa Miyazato
1
,
Osamu Homma
2
1慈恵会医科大学精神神経科教室
2多摩川保養院
1Dept. of Neurol. & Psychiat., Jikei Univ. School of Med.
2Tamagawa Hoyoin
pp.929-933
発行日 1972年10月15日
Published Date 1972/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201945
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I.はしがき
アルコール中毒や薬物依存が発現する背景は非常に複雑で,生来性の素質のみを重視することはできないし,そうかといって,環境的因子や心理学的因子のみをとりあげて論ずることもできない。したがって,その病因論も多く,そのいずれもが問題とかかわり合いをもっている。これらについては,後に詳しく考察するつもりであるが,現在,この問題を解明してゆこうとするには,ケースを重ねて,それを多角的に検討してゆくことこそ大切なことと考えられる。ここで報告するケースは,一家族構成員のすべてにアルコール中毒または薬物依存が発現したものであり,われわれは各症例の発病要因を分析検討することにより,家族精神医学的アプローチを試みたいと考えた。
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