Japanese
English
研究と報告
CS-370の精神神経科領域疾患に対する臨床効果について
Clinical Effects of CS-370 on Mental Disorders
大海 作夫
1
,
田中 義
1
,
有岡 巌
1
,
西村 公宏
1
,
浅尾 之彦
1
,
中野 志隆
1
,
橋本 栄修
1
,
夏目 誠
1
Sakuo Oumi
1
,
Tadashi Tanaka
1
,
Iwao Arioka
1
,
Kimihiro Nishimura
1
,
Yukihiko Asao
1
,
Yukitaka Nakano
1
,
Shigenobu Hashimoto
1
,
Makoto Natsume
1
1奈良県立医科大学神経精神科学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Nara Med, Univ.
pp.253-266
発行日 1972年3月15日
Published Date 1972/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201867
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I.緒言
このたび,三共株式会社中央研究所において開発されたCS-370は,化学名を10-chloro-11b-(0-chlorophenyl)-2, 3, 5, 6, 7, 11b-hexahydrobenzo(6, 7)-1.4-diazepino-(5, 4-b)oxazol-6-oneと称し,融点(分解点)204〜206℃を示し,無味,無臭の白色結晶性粉末で下記の構造を有する化合物である。
本剤はchlordiazepoxide,diazepamおよびさきに三共株式会社において開発されたoxazolam(セレナール)と同じくbenzodiazepine誘導体の一種で,これらと類似の化学構造を有しており(図1),薬理実験でも本剤はdiazepamと同程度の馴化作用,闘争反応抑制作用が認められている。しかし一方,本剤の毒性はdiazepamに比べてはるかに低く,強力な静穏作用を有するので安全性の高い精神調整剤として有望であると考えられる。
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