Japanese
English
特集 社会変動と精神医学
昨今の抑うつ神経症について
Neurotic Depressive States of the Recent Days
笠原 嘉
1,2
,
宮田 祥子
1
,
由良 了三
3
Yoshimi Kasahara
1,2
,
Sachiko Myata
1
,
Ryozo Yura
3
1京都大学医学部精神医学教室
2京都大学保健管理センター神経科
3関西電力病院神経科
1Dept. of Psychiatry, Medical School, Kyoto Univ.
2Division of Mental Health, University Health Center, Kyoto Univ.
3Dept. of Psychiatry, Kansai Denryoku Hospital
pp.1139-1145
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201829
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I.はじめに
昨今「うつ病」の増加ということがマスコミなどでも話題に上るようになっている。また各地の精神科医から,うつ病と診断するケースが外来で増えているという印象を聞かされることも多い。筆者ら3人もまた,かねてからそのような印象を共有していた。そこでこの小論においてわれわれの身近なデータのなかで今日うつ病が増えているという事実ははたして確認されるのか,もし増えているとすれば臨床精神医学的にどういう特徴がそこに指摘できるか,またその事実について臨床精神医学の枠内ではどのような解釈が可能か等について,若干の考察を試みたい。現在の段階では,社会精神医学の特集の一篇として掲載されるに値するほど十分な考察は行なえていないが,少なくとも昭和40年から46年にかけての関西の一地区における資料としての意味はあろうかと思う。
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