Japanese
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研究と報告
Double-blind,Controlled Trialによる“APY-606”の慢性分裂病患者における精神薬理学的検討
A Double-blind, Controlled Study of the Effects of APY-606 on Chronic Schizophrenia
窪倉 明雄
1
,
荒 正
1
,
懸田 克躬
1
Akio Kubokura
1
,
Masashi Ara
1
,
Katsumi Kaketa
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiat., Juntendo Univ. School of Med.
pp.765-774
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201657
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I.はじめに
わが国独自の開発に成る向精神薬はきわめて少ないが,1968年に合成,研究されたAPY-606(吉富)(以下APY)はその数少ない薬物の一つである。第1図の構造式に示されるように本薬剤はPhenothiazine系化合物に属する。
薬理実験において,APYはChlorpromazine(以下CP)と同程度であるがThioridazine(以下TR)よりも強い自発運動抑制作用その他neurolepticな作用を有し,抗adrenaline作用,抗noradrenaline作用が強くしかも毒性はCP,TRよりもはるかに低い点が指摘されている。これまでの臨床報告においては鎮静,賦活の両効果がもたらされるといわれている1)。
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