Japanese
English
研究と報告
転帰からみた精神分裂病中核群と非定型群の診断
Diagnosis of Nuclear and Atypical Schizophrenia from a Prognostic Viewpoint
保崎 秀夫
1
,
岡本 正夫
1
,
武正 建一
1
,
浅井 昌弘
1
,
村上 圀世
1
,
仲村 禎夫
1
Hideo Hosaki
1
,
Masao Okamoto
1
,
Kenichi Takemasa
1
,
Masahiro Asai
1
,
Kuniyo Murakami
1
,
Sadao Nakamura
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Keio Univ. Shool of Med.
pp.287-295
発行日 1970年4月15日
Published Date 1970/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201598
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I.はじめに
精神分裂病の概念がそれぞれの国や学派によって異なっていることは常に問題にされるところであるが,また,時代による変遷も無視することができない。分裂病と他の内因性精神病との間で論議される非定型精神病や,神経症ないし異常体験反応との境界領域の問題も,この概念の相違,変遷に負う点が大きいと思われる。
従来,分裂病の非定型または周辺群の問題を取り上げる場合,一方ではいわゆる非定型精神病,他方では境界線症例という面から別個に問題にする傾向を否定することができないようである。われわれは,いわゆる中核と考えられる分裂病群に,これら非定型ないし周辺群を含めた症例を分裂病圏患者とし,その予後を総合的に比較検討してみようと考えた。
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