Japanese
English
研究と報告
脳萎縮に伴つたヒステリーの4症例
Four Cases of Hysteric Reaction Associated with Brain Atrophy
大月 三郎
1
,
細川 清
1
,
中村 善信
1
,
平田 潤一郎
1
,
石垣 一彦
1
,
江原 嵩
1
Saburo Otsuki
1
,
Kiyoshi Hosokawa
1
,
Yoshinobu Nakamura
1
,
Junichiro Hirata
1
,
Kazuhiko Ishigaki
1
,
Takashi Ehara
1
1岡山大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuro-Psychiat., Okayama Univ. Medical School
pp.449-456
発行日 1969年6月15日
Published Date 1969/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201485
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運動障害,知覚障害,けいれんなどの顕著な神経症状を示したヒステリーにおいて,気脳写によつて側脳室,第Ⅲ脳室ともに拡大を認め,その他の脳器質徴候のほとんど認められなかつた4症例を報告した。
これらの症例における共通した特徴は,病前はさほどヒステリー性格を示さず,なんらかの脳障害を起こす可能性のある既往歴を有し,共通した症状としては表情の鈍さと漠然とした心気的訴えを示し,脳波所見では特異的なものはないが,軽微な異常所見を示すことなどである。
これら症例における脳室系拡大は,その周辺部の脳萎縮を示すものと考えられ,とくに第Ⅲ脳室周辺の間脳障害がヒステリー症状に関与しているものと推定した。
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