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研究と報告
精神分裂病の家族精神療法(その3)—家族内病識
Family-Psychotherapy of Schizophrenia (Ⅲ): Intrafamilial Insight
阪本 良男
1
Yoshio Sakamoto
1
1阪本病院
1Sakamoto Hosp.
pp.217-223
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201456
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われわれは,精神分裂病の家族精神療法の経験から,患者の病像の発見,すなわち発病を認識することに関し,家族成員により認識の差があることを知つた。この事実に対し,精神分裂病患者が自己の病気を認識しえない構え,すなわち「病識がない」と精神病理学的によばれる概念を適用し,「家族内病識」という概念を提唱して家族成員個々人の患者の病気に対する認識を表わした。
この概念の精神力動的意味を,われわれがさきに提唱した「家族抵抗」の概念,家族内病識の順位,家族退行などの考えかたから論じた。この概念は日常臨床上精神分裂病の家族力動を理解するうえにも,家族精神療法的にも非常に有用であると考える。
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