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特集 精神分裂病の家族研究
精神分裂病の家族研究
A Family Study of Schizophrenia
高臣 武史
1
T. Takatomi
1
1国立精神衛生研究所
1National Institute of Mental Health.
pp.266-272
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200983
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I.はじめに
私は今春の日本精神神経学会のシンポジアムで分裂病患者家族の類型化をこころみた。それは少なくとも4型が考えられたが,全体の特徴はつぎのとおりである。
(1)父親 ほとんどすべてが分裂気質ないし分裂病の範疇にはいる特異な性格の持主である。そのなかには誠実,きちようめん,まじめで,社会的に有能であり,活躍している人もあり,神経質,過敏,独断的,へんくつ,非社交的な人もある。一見すると多様であるが,共通していえることは「共感性」が欠けていることである。
(2)母親 いろいろ問題があるが,父親に一つの方向の性格傾向が見られたのに対して,内気な入,未熟で心気的傾向の強い人,自己中心的,他罰的傾向のめだつ人など,いろいろのタイプがある。
(3)家族内人間関係 もつとも問題になるのは両親のそれぞれの性格特徴よりも,かれらが中心となつている家族内人間関係の特異性である。それには少なくとも4型が見られた。
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