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特別講演
うつ病への内因性変転に対する前うつ状況の意義
Die Bedeutung der prädepressiven Situation für die endogene Abwandlung in die Depression. Therapeutische Konsequenzen
Hubert Tellenbach
1
,
近藤 喬一
2
Hubert Tellenbach
1
,
Kyoichi Kondo
2
1Psychiatrische und Neurologische Klinik der Universität Heidelberg
2慈恵会医科大学神経科
1Psychiatrische und Neurologische Klinik der Universität Heidelberg
2Aus der Psychiatrischen und Neurologischen Klinik der Jikei Universität
pp.265-274
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201313
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われわれは内因的なるものが,人間的なるものについての,二,三のまつたく根源的な現象のなかで明らかになつてくることを知つた。リズムをおびたもの,周期的なものが,とくにこれらの現象を特色づける形式的規定であると思われていた。しかし,とりわけ成熟の諸現象のなかで内因的なるものの本質は,意味深大ではあるが,それと同時にかつ謎につつまれた表現を与えるかのごとき様相を呈する。内因性現象は,因果的会得の可能性をも了解的会得の可能性をもこえたものである。事実,それはさまざまな側面を生ずるので,諸個別科学でも到達可能ではあるが,全体としてはわれわれがEndonと名づけた,根源的有機的形象のなかに表現される力の形成化として,直観的な判断力(Urteilskraft)の作用によつて初めてとらえられる。Endonの存在様式は,個別科学的到達のあらゆる可能性にさきだつて,まず自然哲学が適合するところの現実界の一領域に属している。Endonと内因的なるものは,Husserlのいう意味での自然の領域的存在論(regionale Ontologie)の中心的テーマなのである。ところで,この始源領域から,遺伝的に順次受け継がれて,ひとを一定の類型に到達させる人間性の側面も現出してくることをも知るのである。ことに遺伝継承者の生活界をその端緒から規定し,遺伝的に継承された可能性の実現にはたらきかけ,規定していくものが種々の遺伝的なものであるときは,なおのことである。
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