Japanese
English
研究と報告
肺結核を合併した精神障害者におよぼすcycloserineの影響
On the Influence of Cycloserine Therapy in Psychotic Patients combined with Pulmonary Tuberculosis
山村 道雄
1
,
米倉 育男
1
,
平野 千里
1
,
大槻 信子
1
,
早川 三野雄
1
,
宮川 健児
2
Michio Yamamura
1
,
Ikuo Yonekura
1
,
Chisato Hirano
1
,
Nobuko Otsuki
1
,
Minoo Hayakawa
1
,
Kenji Miyagawa
2
1岐阜精神病院
2岐阜大学医学部精神医学教室
1Gifu Mental Hospital
2Dept. of Neuropsychiat., School of Med., Gifu Univ.
pp.149-155
発行日 1968年2月15日
Published Date 1968/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201297
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I.はじめに
Cycloserine(以下Csと略す)は,1954年Harned, Kroppによつて放線菌の一種であるStreptmyces orchidaceusから発見された抗生物質で,試験管内で広く結核菌,グラム陽性菌および陰性菌に対する抗菌力を有し,臨床的には肺結核,とくにPAS,SM,INAHなどに耐性となつた症例や,副作用のため他剤投与ができない症例に対してすぐれた治療効果があるといわれている。
しかし,反面,精神神経系を中心とする副作用の発現が注目されている。Epsteinら1)は,37例中2例にてんかん発作,2例に憂うつ症の発現をみたと報告し,U. S. Public Health Service2)の115例の成績では18例にけいれん,精神的不調,運動的不調,嗜眠,発熱悪感などの副作用を認めている。堂野前ら3)は,1.0g単独投与では62.5%の副作用が出現したが,頭痛,めまい,睡気などの軽微なものが多く,精神錯乱,けいれん発作などの重篤なものは少なかつたと述べている。
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