Japanese
English
研究と報告
老年期におけるアルコール依存者—家庭内緊張を中心として
On Alcohol-Dependents in Old Age: From the Standpoint of the Domestic Tension
大原 健士郎
1
,
奥田 裕洪
1
,
小島 洋
1
,
有安 孝義
2
Kenshiro Ohara
1
,
Yuko Okuda
1
,
Hiroshi Kojima
1
,
Takayoshi Ariyasu
2
1慈恵会医科大学精神神経科教室
2総武病院
1Department of Neurol. & Psychiat., Jikeikai University School of Med.
2Sobu Hospital
pp.572-576
発行日 1967年8月15日
Published Date 1967/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201229
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Ⅰ.はしがき
本来,嗜好品としての性質をもつアルコールが,ある者に,Trunksucht,addictionを生じ,ある者にはchronischer Alkoholismus,chronic alcoholismを生ずる。この両者は,互いに移行する場合も多いが,どちらかの状態にとどまる場合もまれではない。ここで,きわめて素朴な観察をくだすとき,機会的に適度の飲酒をたしなむ者,習慣的な飲酒者であるが精神的にも身体的にも障害を示さない者,さらにはアルコールを断つことができず,そのうえ,精神的にも身体的にも著明な障害を示す者など,質的にも量的にも異なると思われるいくつかの群があげられよう。
しかもそれらは,必ずしも単純な段階的経過をとるものではなく,各群の差異ならびに機制についても明らかでない点が多い。
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