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特集 宗教と精神医学
第63回日本精神神経学会総会シンポジウ厶
北方原始民族のシャーマニズムについて
Shamanism among the Northern Prlmitive Tribes
中川 秀三
1
,
長野 俊光
1
,
石橋 幹雄
1
,
佐々木 幸雄
1
,
大江 覚
1
S. Nakagawa
1
,
T. Nagano
1
,
M. Ishibashi
1
,
Y. Sasaki
1
,
S. Ōe
1
1札幌医科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsych., Sapporo Medical College
pp.897-900
発行日 1966年11月15日
Published Date 1966/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201091
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I.緒言
北方諸民族は,文化変容によつて,民族固有の特質的文化や,純血を失い,順応者は,田園風土を嫌つて大都会に定位したりあるいは,部族の風俗を売物とした観光事業を生業とするなど,近代社会に融和しているが,反面には部落に残された集団成員は,保守的な伝統思考的傾向をもち,閉鎖的な村落を形成している。
部落には,いぜんとして,伝承的な呪術的行動様式や,「祟り」「憑き」などのcustomary beliefおよびshamanの憑依状態を中核とするmagico-religiousな信仰儀礼,あるいは古老の神祭儀式などが残留しており,animismやanthropomorphismに根ざした土俗的伝承的な共同体の確信状況を背景に,密教的性格をおびた呪術的宗教行事がしばしば行なわれている。
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