Japanese
English
研究と報告
Floropipamide(Propitan)の使用経験
Clinical Experience of Floropiparnide (Propitan)
島崎 敏樹
1
,
中島 晋
1
T. Shimazaki
1
,
S. Nakajima
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Tokyo Medical and Dental Univ.
pp.234-239
発行日 1966年3月15日
Published Date 1966/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200979
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I.はじめに
Floropipamide(Propitan,Dipiperon)は,ベルギーのP. Janssenらによつて開発された一連のbutyrophenone系薬物の一つであつて,1960年以来,西独を中心とする欧州で治療経験がつまれており,わが国でもぼつぼつこれの臨床報告が見られはじめた。われわれもこのたび,エーザイ株式会社の協力により,本薬物を使用する機会を得たので,その結果を報告する。
Janssenによれば,floropipamideは選択的中枢神経薬(CNS-drug)であつて,少量では鎮静効果,tryptamine拮抗作用,大量では典型的なneuroleptic effectを示し,何よりもまず気分を調整する薬物として,精神分裂病やうつ状態に用いられ,同時にまたおもい不眠症にも有効であるという。分子式はC21H30FN3O2,分子量は395.47,融点124.5℃〜126℃で,第1図のような構造式と化学式をもつ。
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