Japanese
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研究と報告
PZ 1511の臨床精神薬理作用について
Clinical Effects of PZ 1511 on Chronic Schizophrenics
桜井 図南男
1
,
西園 昌久
1
T. Sakurai
1
,
M. Nishizono
1
1九州大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuro-Psychiat., Faculty of Med., Kyushu Univ.
pp.913-917
発行日 1965年10月15日
Published Date 1965/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200916
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I.はじめに
PZ 1511は吉富製薬によつて新しく開発された向精神薬で,その臨床作用についてはすでにいくつかの予報的見解が発表されている。それによると,欠陥分裂病に特異的な効果があり,その目標症状は抑うつ気分,不安,緊張,衝動減退であつて,一般に欲動亢進的作用が前景に現われるという。また,少数例に急性期分裂病に見るような幻覚妄想状態を呈するものがあり,その作用機制は,phenothiazineの場合とは異なるという。
このたび,私たちは,そのような報告を参考にして,わが国で初めて開発されたという抗精神病作用をもつと考えられる薬物,PZ 1511の臨床作用について検討を行なつた。いろいろの事情により,今回対象とした症例が比較的に数少なかつたことは残念であつたが,各症例については,かなり長期にわたり観察を行なうことができたので,PZ 1511の臨床作用について,いままでに私たちの経験した事実を,一応ここでまとめて報告しよう。
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