Japanese
English
研究と報告
Tegretolによる難治性てんかんの治療—精神運動発作を中心に
Tegretol in the Treatment of Epilepsia
宮坂 松衛
1
,
伊達 実
1
,
福沢 等
1
,
丸山 弘毅
1
M. Miyasaka
1
,
M. Date
1
,
H. Fukuzawa
1
,
K. Maruyama
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Tokyo Medical and Dental Univ.
pp.633-639
発行日 1965年7月15日
Published Date 1965/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200877
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I.はじめに
幾多のすぐれた抗てんかん剤の開発にもかかわらず,現在なお数多くの難治性てんかん患者が残されていて,治療者を悩ましつづけている。
Luminal,MysolineなどのBarbital酸誘導体,AleviatinなどのHydantoin誘導体,MinoaleviatinなどのOxazolldine誘導体,Phenurone,Pheneturideなどの直鎖系誘導体,OspolotなどのSultam誘導体など——一連の抗てんかん剤は,それぞれすぐれた抗てんかん作用をもつことは確かであるが,難治性てんかんに対してはなおはるかに十分ではない。とくに精神運動発作型のてんかんは,われわれのてんかん外来における難治性てんかんの過半数を占め,またこの型のてんかんは,一般医家の考えるよりもはるかに多く,各てんかん治療センターにおいて30〜80%を占めるといわれる(Gastaut3))。また頻回の発作をおさえきれず,性格変化などおもい精神障害を起こして入院を要するてんかんの大半をこの型のものが占めるともいわれるために,この型を中心とした難治性てんかんには,さらに強力な抗てんかん剤の開発が望まれている。
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