紹介
—Aretaios 著—Epilepsia,Melancholia,Mania.—A Selection from Corpus Medicorum Graecorum II
大橋 博司
1
Hiroshi Ohashi
1
1京都大学精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Faculty of Med. Kyoto Univ.
pp.717-722
発行日 1964年9月15日
Published Date 1964/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200750
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昨年の本誌(精神医学,5巻,9号,10号,11号,1963)にCorpus Hippocraticumから精神神経学的疾患に関係のある部分を紹介したが,今回はAretaios(Aretaeus,Areteusなどとも綴られる)について述べよう。かれに関する詳細は医学史書にゆずるとして,CappadociaのAretaios(A. D. 81-138?)はおそらくアレキサシドリアに学びローマにおいて医学の臨床にたずさわつたらしい。かれの立場はいわゆるPneumatikerないし健全なEklektikerであり,Hippocrates医学の伝統をついでいるということである。かれの著作はCorpus Medicorum Graecorum, IIに収録されているが,これは8巻に分かれ,第I巻と第II巻が「急性病の原因と症状」(ΠΕΡΙ ΑΙΤΙΩΝ ΚΑΙ ΣΗΜΕΙΩΝ ΟΞΕΩΝΠΑΞΩΝ),第III巻と第IV巻が「慢性病の原因と症状」(ΠΕΡΙ ΑΙΤΙΩΝ ΚΑΙ ΣΗΜΕΙΩΝ ΧΡΟΝΙΩΝΠΑΘΩΝ)となっており,以下これに対応して第V巻と第VI巻の「急性病の治療」(ΟΞΕΩΝ ΝΟΥΣΩΝ ΘΕΡΑ-ΠΕΥΤΙΚΟΝ),第VII巻と第VIII巻の「慢性病の治療」(ΧΡΟΝΙΩΝ ΝΟΥΣΩΝ ΘΕΡΠΕΥΤΙΚΟΝ)がつづく。原因・症状編と治療編とは疾病別に厳密にパラレルになつていて,その分類はきわめて整然としている。
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