Japanese
English
研究と報告
Thioxanthene系誘導体Chlorprothixeneの臨床治験
Some clinical experiences with a new thioxanthene derivative, chlorprothixene
藤谷 豊
1
,
風祭 元
1
,
田椽 修治
1
Y. Fujiya
1
,
H. Kazamatsuri
1
,
S. Taen
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Dept. of Neuro-psychiat., Faculty of Med. Tōkyō Univ.
pp.881-885
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200504
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I.はじめに
向精神薬の最近の発達はめざましく,各種薬物の研究および臨床治験の報告は枚挙にいとまがない。抑うつ状態に対しても,1954年以来,Pipradrol,Methylphenidate,Dimethylaminoethanol,Imipramineおよび各種のMonoaminoxydase阻害剤など多くの効果ある薬物が相ついで報告されてきた。とくにImipramineおよびAmitriptyrineの内因性うつ病に対する著明な効果は,多くの人たちに認められている。B. Pellmontら(1958)はPhenothiazine核の変形であるThioxanthene誘導体Chlorprothixeneを発表した。この化合物はImipramineおよびAmitriptylineの構造と類似しており,その作用も,Imipramineなどと同じく,抗うつ効果を特長とし,さらに諸種の内因性精神疾患に対しても,治療効果を有するとの,広範な適応性が報告されている。
われわれは,昭和36年9月以来Chlorprothixeneを臨床的に使用する機会をえて,現在までに主として内因性うつ病を中心に,種々の抑うつ状態に投与し,その臨床的効果を検討したので,ここに報告する。
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