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精薄4514名の性染色体—A survey of sex-chromosome abnormalities among 4514 mental defectives
pp.473
発行日 1962年7月15日
Published Date 1962/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200457
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Lancet 7224:293-296,Feb. 10, 1962.染色体研究の権威を網羅して広汎に精査されたこの方面でのもつとも注目すべき論文で,関係者のみのがすことのできぬもの。イングランド・スコットランドの病院・収容所から精薄♂2607,♀1907を選び,口腔粘膜スミアから性クロマチンを検し,白血球および皮膚について性染色体を分析した。♂2607中28例性ク(+),うち23例は性ク1個,4例2個,1例3個。計10.7%。♀1907例中8例は性ク2個(4.2%)。♂28例を吟味すると,性染色体XXY 17例(6.5%),XXXY4例(1.5%),XXYY 2例(0.8%)およびモザイク5例(1.9%)。XXYの1例は21番の体染色体にトリソミーがあつた。♀8例を吟味すると性染色体XXX 7例,XX/XXX 1例。いままでのこの方面の検索中もつとも広範,もつともゆきとどいたもので,異常検出率も高い。その異常のうちモザイクだけとりあげる。XY/XXYは2例で,染色体数46本と47本の2種の細胞から成つていた。XXXY/XXXXY 1例は染色体48本と49本との2種の細胞から成り,47本(XXY)はみあたらない。XY/XXY/XXYY 1例,この48本染色体はXXYYと決定されたが体染色体21番か22番のトリソミーという可能性もあろう。XO/XY/XXY 1例は皮膚培養で,染色体45本,46本,47本,の3種がみられ,47本はXXYにまちがいない。XX/XXX 1例。
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