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Turner症候群,Klinefelter症候群と,性の異常とはいえないがXXX-女性と3つの状態が知られている。Turner症候群では卵巣実質がなく,卵胞を欠く問質が索条として認められるにすぎないから,女でも無月経で二次女性徴を欠く。体はずんぐり,大動脈縮窄・賢異常・項部webbingその他の奇形あり。その大部分は核の性ではクロマチン(-)。染色体数45個,性染色体XO。ごく少数はクロマチン(+)で,中に2型あり。ひとつは染色体45個と46個との細胞がいりまじつたモザイクで,性染色体はそれぞれXOとXX。他は染色体46個,性染色はX1本,もうひとつのエキストラは第3番染色体に一致するがたぶんXとisochromosomeであると思われる。ク(-)のTurnerは女5,000〜10,000に1名の頻度。つぎにKlinefelter症候群は別抄のように染色体数47本。性染色体XXY,ク(+)。その他に染色体46(性染色体XX)と47(性XXY)とのモザイクで少数例発見されている。さらに染色体数48本,性XXXYというのが4例見出され,染色体数49,性XXXXYが1例報告されている。ク(+)のKlinefelterは男500に1例といわれるが精薄者で調べるとさらに5〜10倍多い。またモンゴリズムとKlinefelterとの合併(染色体数48本,第21番が3本,性はXXY)がある。ク(+),精薄のKlinefelter10例を精査したら2名がモンゴールだつたという報告もある。XO,XXYはガメート形成間のnondisjunctionのために発生するのであろう。またXXという異常配偶子がXという正常配偶子と接合するとXXXという女が生まれる。XXX-女史はすでに10例報告されている。精薄収容所では0.7%の頻度という。
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