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展望
フランスの妄想研究(5)—第2部 病因論(つづき) 妄想の器質論,Pierre Janetの妄想論,Henri Eyの妄想論,あとがき
L'aspect général sur l'étude psychopathologique du délire en France (5)
小木 貞孝
1
S. Kogi
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Clinique neuro-psychiatrique de l'Universite de Tokyo
pp.789-794
発行日 1960年12月15日
Published Date 1960/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200278
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妄想の器質論
MonakowとMourgue1)は精神機構に2つの階層を認め,これを本能領域(sphère des instincts)と因果領域(sphère de la causalité)とよんだ。本能領域は精神機構の下層を占めて生体エネルギーを放出する場であり,因果領域は上層にあつて人間が外部と交通する場である。彼らは,妄想や幻覚は,因果領域が障害され,本能領域の生体エネルギーが外界と交通できなくなつた状態であるとした。この場合,本能領域の非論理的でかつ本質的にthymiqueな面が表面にあらわれ,それが妄想の意味内容を規定する。
この考えかたはGuiraud2)3)のいわゆる生物学的妄想論においてさらに発展せられた。
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