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展望
フランスの妄想研究(1)—第1部 症候論 症候論概説と19世紀の症候論
L'aspect général sur 1'étude psychopathologique du délire en France
小木 貞孝
1
S. Kogi
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Clinique neuro-psychiatrique de l'Universite de Tokyo
pp.505-512
発行日 1960年8月15日
Published Date 1960/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200241
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まえがき
フランスの妄想研究は,19世紀においてすでにドイツとは独立に1つの体系をつくりあげ,その後KraepelinやBleulerの影響下にその体系理論を改変しつつ独自の発達をとげてきた。したがつて,わが国のようにおもにドイツ系の体系をとりいれたところでは,現代フランスの研究成果を云々する前に簡単な歴史的考察をしておくこと,ことに疾病分類の成立過程を一応理解しておくことは必要なくわだてと思われる。以下第1部として妄想の症候論を要約していこうと思うのはこの理由による。さらに第2部として妄想の病因論を紹介し,第3部として2,3の現象学的研究にふれ,この誌上をかりて数回にわたり全体的展望をこころみてみたい。
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