Japanese
English
研究と報告
台湾における迷信に基づく神経症について
On the neurosis owing to a traditional sŭperstition in Formosa
中 脩三
1
,
蔡 陽昆
2
1大阪市立大学医学部神経精神医学教室
2台湾彰化市
pp.431-436
発行日 1960年7月15日
Published Date 1960/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200233
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緒言
最近各種の精神疾患にさいし,社会的背景を考えることがBlerer,Wittkower and Friedらにより提唱せられ,その研究方法について議論されているが,そのおもな目的は各種民族の心理状態の比較研究である。そこにもつとも障害となるものは言葉であり,日本の精神医学が西欧に理解されないのも言葉のむずかしさによると思う。
台湾には多くの日本の教育を受けた医師がおり中国民族の心理の研究には好適の場所である。筆者の1人は長年月台湾に教鞭をとつていたがこのほど2回にわたる台湾の学術旅行により,ふたたびこんな研究の重要であることをさとるにいたつた。ここに報告する小論文は彰化市の蔡医学士の観察に基づくもので社会精神医学的にはなはだ興味があると思われるものである。
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