紹介
—L. Binswanger 著—精神分裂病(Schizophrenie)〔第5回〕
東京医科歯科大学神経科教室精神病理学グループ
pp.440-444
発行日 1959年6月15日
Published Date 1959/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200109
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症例 スザンヌ・ウルバン
この例でもわれわれは分裂病性妄想を了解する努力をつづける。精神分裂病の問題は妄想で頂点に達する。しかし,妄想を直接に攻撃することは不可能で,それを科学的に了解しようとするなら,事物の性質に沿つて一歩一歩近づいて行くしかない。《事物の性質》とはここでは現存在の構造が経過する変転過程である。そこでわれわれは,現存在が広い豊かな地盤すなわちその基本構造を去つて妄想に尖鋭化していく道程を,これから追跡しようと思う。
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