Japanese
English
研究と報告
季節性感情障害とその高照度人工照明療法
Seasonal Affective Disorder and its Phototherapy
溝部 裕子
1
,
永山 治男
1
Yuko Mizobe
1
,
Haruo Nagayama
1
1大分医科大学精神神経医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Medical College of Oita
キーワード:
Seasonal affective disorder
,
Phototherapy
,
Hypersomnia
,
Carbohydrate craving
Keyword:
Seasonal affective disorder
,
Phototherapy
,
Hypersomnia
,
Carbohydrate craving
pp.315-322
発行日 1990年3月15日
Published Date 1990/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902813
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抄録 4例の季節性感情障害とそのうち3例に施行した高照度人工照明療法(光療法)の結果について報告し,同症および同症における光療法の作用機序について若干の考察を行った。4例中3例(症例1,2,4)は気分の障害に加えて,糖分やでんぷん質への飢餓carbohydrate craving,過眠,活動性の低下,社会的ひきこもり,仕事の障害など同症に特徴的な症状を示したが,他の1例はcarbohydrate cravingを欠いていた。光療法は3例中2例で有効,1例で無効であった。症例1は朝のみの照射では効果がなく,夕方の照射を追加することにより完全寛解した。退院後一時再悪化したが自宅における光療法の時間を調整することにより再び寛解した。症例2は当初より朝夕2回の照射を行い完全寛解した。症例3は朝のみの照射を10日間施行したが無効であった。症例4は自然寛解に近い状態にあり治療は行わなかった。
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