Japanese
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特集 成人てんかんの国際分類と医療の現状
てんかんにみられる精神症状とその治療
Mental Disorders in Patients with Epilepsy
千葉 茂
1
Shigeru CHIBA
1
1旭川医科大学医学部精神医学講座
1Department of Psychiatry and Neurology, Asahikawa, Japan
キーワード:
Epilepsy
,
Mental disorders
,
Psychogenic pseudoseizures
Keyword:
Epilepsy
,
Mental disorders
,
Psychogenic pseudoseizures
pp.469-477
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101869
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はじめに
てんかん患者における精神障害の出現頻度は,報告者によって19~80%と差がある7)。わが国の疫学研究27)によれば,てんかん患者の42%に精神遅滞や人格障害を含めた広義の精神障害(ICD-10)がみられた。また,てんかん患者の23%に狭義の精神障害(ICD-10)が認められ,その内訳は,神経症性障害(F4)8%,統合失調症(F2)7%,気分(感情)障害(F3)1%などであった。このように,てんかん患者では,種々の精神障害が高率にみられることを念頭に置く必要がある5,7)。
本稿では,まずてんかんにみられる精神症状の要因を述べ,次に,主要な精神症状を,その出現時期から分類し,それぞれの臨床的特徴とその治療について概説する7)。最後に,本テーマにかかわるてんかん学と精神医学の今後の課題について述べる。
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