書評
―冨岡詔子,小林正義 編―作業療法学全書(改訂第3版)第5巻「作業治療学2 精神障害」
野中 猛
1
1日本福祉大学
pp.410
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101853
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日本作業療法士協会が企画・編集した「作業療法学全書」シリーズの中の1冊であり,「作業治療学2 精神障害」と名づけられている。わが国の作業療法学および作業療法実践を支え,作業療法士の育成に一生を賭している方々の記述であると思うと,読むにも身が引きしまる。とはいっても,養成校や大学の学生を読者の対象としているので,項目は厳選され,内容は平易に表現されている。作業療法や作業療法士の世界を知る目的で読むことも可能であろう。ひとつの職種を統括する協会が編集しているのだから,作業療法士自身が大切にする理念や理論がここに結実している。
わが国で理学療法士・作業療法士が誕生した1965年頃に,「作業療法」の教科書はWillard & Spackmanであり,教育の一部は英語で行われていた。日本の作業療法学が体系づくられたのが1990年,次いで1999年に改訂版を出し,今回2010年は第3改訂版となっている。
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