「精神医学」への手紙
「若年性」という用語―若年性認知症をめぐる特集(本誌51巻10号)を読んで
柏瀬 宏隆
1
1松見病院
pp.696
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101673
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本誌51巻10号(2009年10月号)は,若年性認知症を特集している。その巻頭論文「若年性認知症とは」2)を読むと,「若年性」認知症とは,40歳以前に発症するものか,18歳~65歳未満に発症するものか,65歳未満に発症するすべての認知症を指すのか,いささか判然としないが,どうも65歳未満に発症するすべての認知症を指しているようである。しかし,本特集の第二論文「若年性認知症の疫学調査とその問題点」1)を読むと,若年性認知症とは60歳もしくは65歳未満に発症する認知症を指すが,これは通称であり,正しくないという。
DSM-ⅣとICD-10のアルツハイマー型認知症の年齢区分は,65歳を境にして早発性(early-onset)と晩発性(late-onset)とに区分している。グローバルに見てearly-onsetという表現が使用されており,juvenileとはいわない。
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