Japanese
English
短報
レビー小体型認知症の幻視に対してブロナンセリンが著効した1例
A Case of Visual Hallucination in DLB Treated by Blonanserin
西尾 彰泰
1
,
植木 啓文
2
Akihiro NISHIO
1
,
Hirofumi UEKI
2
1医療法人生仁会須田病院
2岐阜大学大学院医学系研究科神経統御学講座精神病理学分野
1Suda Hospital, Takayama, Japan
2Department of Pscyhopathology, Division of Neuroscience, Gifu University Graduate School of Medicine
キーワード:
Blonanserin
,
Visual hallucination
,
Delusion
,
DLB
,
Parkinson's disease
Keyword:
Blonanserin
,
Visual hallucination
,
Delusion
,
DLB
,
Parkinson's disease
pp.561-564
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101438
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はじめに
高齢者においては幻視が認められることは稀ではない。主な幻視の原因として,①パーキンソン病やレビー小体型認知症に伴うもの,②脳幹部の損傷によるもの,③せん妄などがある。幻視については,①,②の場合は小動物が見えるなどなどはっきりとした幻視が多いが,③の場合は,もう少しあいまいな幻視で情動を伴うことが多いなど異なっている面もある。しかし,それらの区別もはっきりとつけることができるほどではなく,その機序については不明なところが多い。幻視がある患者でも,多くの場合は幻視とつきあいながらも普通に生活をしている。しかし,幻視によって日常生活が脅かされるような時は治療が必要である。今回,我々は幻視のために日常生活に支障を来したレビー小体型認知症と思われる患者に対して,blonanserinを投与したところ,速やかに幻視が消失したという症例を体験したので報告する。レビー小体型認知症に対して,blonanserinを用いた理由については,この報告の後半部で検討する。
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