Japanese
English
シンポジウム 統合失調症の脳科学
統合失調症の治療―分子イメージングで探る合理的薬物療法
Treatment for Schizophrenia: Optimal antipsychotic therapy determined by molecular imaging
須原 哲也
1
,
荒川 亮介
1,2
Tetsuya SUHARA
1
,
Ryosuke ARAKAWA
1,2
1放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター 分子神経イメージング研究グループ
2日本医科大学精神医学教室
1Molecular Neuroimaging Group, Molecular Imaging Center, National Institute of Radiological Sciences, Chiba, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Nippon Medical School
キーワード:
Dopamine D2receptor
,
Occupancy
,
Antipsychotics
,
Schizophrenia
,
Positron emission tomography
,
PET
Keyword:
Dopamine D2receptor
,
Occupancy
,
Antipsychotics
,
Schizophrenia
,
Positron emission tomography
,
PET
pp.171-176
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101368
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はじめに
これまでの薬理学的研究では,in vitroでの受容体やトランスポーターへの親和性,モデル動物を用いた動物実験による行動学的観察などから,投与量が推定されていた。また,投与方法に関しても,薬物血中動態を指標に行われてきた。しかし,前者に関しては種差や生体条件との差異の影響が考えられ,さらには,モデル動物が実際の疾患を反映しているかという問題があった。さらに,血中薬物濃度は必ずしも標的臓器での薬物動態を反映していない可能性が指摘されている。
PET(positron emission tomography)では,薬物の標的部位である受容体やトランスポーターに特異結合する物質をポジトロン核種で標識した,放射性リガンドを投与し,実際の生体内での受容体やトランスポーターの分布を測定することが可能となる。この手法を用いて,抗精神病薬や抗うつ薬などの,精神疾患で用いられるさまざまな薬物の脳内での薬物動態が検討されている。
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