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私のカルテから
我々精神科医は社会不安障害を見落としていないか
Do We, Psychiatrists Diagnose Social Anxiety Disorder, Wrongly?
義村 勝
1
Masaru YOSHIMURA
1
1ストレスケア義村クリニック
1Stress Care Yoshimura Clinic, Fukuoka, Japan
pp.147-149
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101365
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はじめに
社会不安障害は,米国では無視された不安障害6)とも呼ばれるほど症状はあっても受診することの少ない疾患の1つであり,本邦においてもその状況はさほど変わらないと思われる。その理由は,本人自身が精神保健上の問題というより非常に内気だと理解している4),また恥ずかしさや恐れから症状を口にしない8)などといわれる。
筆者のクリニックに初診した患者の中に過去に精神科を受診したが社会不安障害の診断が十分になされず,従って患者の抱える症状の深刻さに応じた治療がなされていないと感ずる症例がいくつかみられた。患者の側が受診しないだけでなく,我々精神科医も十分な診断ができていない側面があるのではないかと考えた。以下,症例を呈示して考察する。なお症例については,個人が特定されないよう改変を加えた。
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