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私のカルテから
術後抑うつに対するsulpiride100mg/日投与で顕著な筋固縮を生じADL回復が遅れた高齢者症例―リエゾン活動での経験
An Elderly Patient with Severe Parkinsonism Induced by Sulpiride at 100mg/day for Postoperative Depressive State: An Experience in the Consultation-Liaison Psychiatry
上田 諭
1
,
西川 律子
2
,
伊藤 敬雄
1
,
大久保 善朗
1
,
岩井 美幸
2
,
岡崎 怜子
3
Satoshi UEDA
1
,
Ritsuko NISHIKAWA
2
,
Takao ITO
1
,
Yoshiro OKUBO
1
,
Miyuki IWAI
2
,
Reiko OKAZAKI
3
1日本医科大学精神医学教室
2日本医科大学付属病院看護部
3日本医科大学第一内科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
2Division of Nursing, Nippon Medical School
3Department of Internal Medicine I, Nippon Medical School
pp.1021-1024
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101299
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はじめに
軽中等度のうつ状態や食欲低下に対して向精神薬sulpirideはしばしば用いられ,その効果から身体各科においても処方されることが少なくない。しかし,副作用としてパーキンソニズムには常に注意が必要であり,特に高齢者に対しては投与量が重要な問題となる。今回,大動脈弁置換術後に100mg(1日量,以下同じ)を持続投与された高齢女性が,顕著な筋固縮と日常生活動作(ADL)低下を呈し,コンサルテーション・リエゾン精神医療6)(以下,リエゾンと略)活動の中での発見と減量によって改善に向かった症例を提示した。個人情報保護の点から,細部を改変している。
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