動き
「第104回日本精神神経学会」印象記
前田 潔
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1神戸大学大学院医学研究科内科系講座精神医学分野
pp.926-927
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101282
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第104回学術総会は鹿島晴雄会長(慶應義塾大学精神神経科学教室教授)のお人柄から抑制の効いた気持ちのよい学会運営であった。その鹿島会長も何度か口にされたことであるが,「日本精神神経学会は確実に変化しつつある」と。私自身もそんな思いを強くしたのが本学会の印象である。
第104回日本精神神経学会は5,000人近い参加者を集めて東京港区台場,ホテルグランパシフィックメリディアンで5月29~31日,開催された。参加者5,000名というのは前年の高知での総会の参加者数の2倍を軽く超えている。これは単に地方と東京という開催地の違いではなく,会員の意識が変わりつつあることを示唆しているように思われる。今まで会員にとって身近に意識されてこなかった本学会が,専門医制度のポイントを取るための出席であっても,学会に出席すればプログラムに目を通し,会場に座って発表を聴くことになる。全国の精神科医の考えていること,やっていることを肌で感じることになる。特に自分の専門外の領域,自分があまり得意としない領域の発表はこういうときでもなければ聞く機会は少ない。このように,わが国の精神科医の多くがひとつの会場に集うことは精神科医の同一性を強化し,連帯感に似たものを生み出しているように思う。
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