Japanese
English
特集 疲労と精神障害―ストレス-疲労-精神障害について
ストレス,疲労と心身症
Stress, Fatigue and Psychosomatic Disorder
吉原 一文
1
,
久保 千春
1
Kazufumi YOSHIHARA
1
,
Chiharu KUBO
1
1九州大学大学院医学研究院心身医学
1Department of Psychosomatic Medicine, Faculty of Medical Sciences, Graduate School of Medical Science, Fukuoka, Japan
キーワード:
Stress
,
Fatigue
,
Psychosomatic disorder
,
Mind-body interaction
Keyword:
Stress
,
Fatigue
,
Psychosomatic disorder
,
Mind-body interaction
pp.597-602
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101224
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はじめに
ストレスが多い現代社会において疲労を自覚している人は,国民の半数以上といわれている。ストレスによって疲労を感じた場合に,私たちは休養をとることでその疲労を回復させる。つまり,疲労を感じることは,心身の活動が限界を超えるのを防ぐためのサインである。しかし,さまざまなストレスによって生じた疲労のサインを無視していると,心身の活動低下だけでなく,心身の不調を来して心身症を発症することも少なくない。
古来「病は気から」といわれているように,身体的疾患に精神的な要素が関与することは多くの人が実感してきた。このことを医学的に位置づけたキーワードが「心身症」である。現代医学は科学としてめざましい進歩を続けているが,その高度化に伴い各臓器別の領域へと細分化されてきたため,病気をモノとしてとらえ,病むヒトとしてとらえる視点が欠如していることが昨今問題となっている。こうしたことへの反省の意味からもストレスや疲労と心身症を理解し,「心身相関」について広く考えていくことが大切である。
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