書評
劇的な精神分析入門
内海 健
1
1帝京大学医学部精神神経科学教室
pp.202
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101142
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
いつの頃からか,精神医学の言葉が乾いた音をたてはじめた。フラットな記述が横行し,症例報告といえば薬物やイベントへの反応で埋め尽くされるようになった。〈わかる―わからない〉をめぐる緊張感はどこにいったのだろうか。
青年期に私をとらえたわからないことへの憧れ,それをいまだに捨てきれぬ私は,いつのまにか他の領域に越境して学ぶようになった。その一つが哲学であり,折をみつけては一日中わけのわからぬ言葉のシャワーを浴びてくる。不思議に思われるかもしれないが,私の脳髄はそれで澱がとれてすっきりとする。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.