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編集後記
K. K.
pp.780
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101027
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最近認知症の問題はますます大きな社会問題となり,NHKでもこの1年間は認知症キャンペーンと称して認知症問題が何回も取り上げられているし,全国の主な都市で認知症フォーラムが開催されている。そういう中で,レビー小体型認知症がアルツハイマー型認知症や血管性認知症とともに三大認知症として注目されるようになり,また,昨年秋にレビー小体型認知症の国際ワークショップが横浜で開催されたこともあり,この頃は一般人の間でもレビー小体型認知症という名前が知られるようになってきている。
そういうこともあって,今回は「レビー小体型認知症をめぐって」というタイトルで特集を組んだ。この病気はまだ認知機能障害が目立つ前に,特有な幻覚(特に幻視)や妄想が目立ったり,抑うつが前景に立ったり,REM睡眠行動障害が起こったりして,精神症状が強く現れることが少なくなく,しかも抗精神病薬への過敏性のために従来の抗精神病薬を使用すると副作用がひどく出て,場合によっては体がカチカチになって寝たきりになってしまうということもあり,精神科を受診することが多いために,精神科医は知っておかないといけない病気である。一方,神経科領域で最も多い変性症であるパーキンソン病も最近は高齢患者が増えており,そのせいもあって認知症を伴うパーキンソン病が増えており,注目されている。
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