書評
―臺弘―精神医学の思想(改訂第三版)―医療の方法を求めて
笠原 嘉
1
1桜クリニック
pp.440
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100975
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本書の前半は,これから精神医学に入っていく人の心に沿って平易に順序よく述べられている。「探求の方法論に重点を置き,学と名のつかないところから出発して,次々に問題を追う形をとり,学問を実践する思想のあり方を現したい」(1972の初版)。副題の「医療の方法を求めて」の意味である。
後半は少し精神科の経験を積んだ医師がその経験を整理するのに格好の,しかも格調ある入門書である。たとえば,第三部には「行動科学的接近」「学習と記憶」「臨床研究としての精神生理」と魅力のある標題が並び,最後の第四部には本書の目玉「生活療法」がくる。
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