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特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか
一般身体科での研修後,精神科研修を行った医師の私見
An Opinion of a Psychiatrist who has Experienced Clinical Training in Somatic Medical Specialities
岩永 英之
1
Hideyuki IWANAGA
1
1国立肥前療養所
1Hizen National Mental Hospital
キーワード:
Post-graduate clinical training
,
Psychiatric training
,
Mandatory psychiatric training
Keyword:
Post-graduate clinical training
,
Psychiatric training
,
Mandatory psychiatric training
pp.1091-1093
発行日 2003年10月15日
Published Date 2003/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100910
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はじめに
新しい卒後臨床研修制度で,精神科が必修化されると聞いて筆者は正直驚いた。なぜなら,医師主体による議論の過程では,必修化の意見は劣勢で,その可能性は残念ながらはなはだ低いと伝え聞いていたからである。それが一転してなぜ必修科に採択されたのだろうか。七者懇をはじめとする関係者の熱意と努力はもちろんであるが,加えて医師ではない委員からの精神科へ寄せる期待と要請が大きかったからのようである。そもそも研修制度見直しの理由は,これまでの臨床研修制度のもとで,社会が要請し期待する医師像とかけ離れた医師が増加し,さらには医療不信の声をも招いてしまう情勢になってきたからである。社会が要請し期待する医師像とは,病気の専門的治療はもちろんのこと,病苦を負ったその人を尊重し互いに信頼しうる関係を築ける資質を持った人であると考える。1専門分野にいくら優れていても,視野が狭い一方通行の関係しか取りえない医師は社会が要請しなくなってきたのだ。
上記の観点と,身体科研修を経て精神科研修を受けた自体験1)を踏まえ,精神科研修で得るべき素養について述べたい。また併せて,筆者の所属する国立肥前療養所の研修プランを紹介したい。
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