連載 医者も知りたい【医者のはなし】 16
日本赤十字創始者・佐野常民(1822-1902) その1
木村 專太郎
1
Sentaro Kimura
1
1木村専太郎クリニック
pp.1132-1136
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100199
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■はじめに
今から約20年前,佐賀市の北,大和にある九州ウインブルドンの天然芝のテニスコートで試合をしたことがある.そのときJR博多駅から佐賀に行き,そこで日本赤十字社の創始者「佐野常民生家」の看板を見た.その後,佐賀県川副町にある常民の生家を訪ねた.福岡県南部の柳川は北原白秋の故郷である.その柳川の西には,有明海に注ぐ筑後川があり,その川の対岸は佐賀県川副町がある.当時,川副町公民館の一部が佐野常民記念館になっていて,日曜日には休館というノンビリした記念館であった.20年前のことである.
その後,明治の巨人 佐野常民(図1)にしては地味なこの記念館を幾度か訪れた.そのうちに,新しい記念館を建てる運動が町をあげて展開され始めた.私も,訪れるたびに募金し,また募金活動の一部であった「博愛せんべい」も度々購入し,新しい記念館建設に少しは貢献している.
以前にこのシリーズで,吉野ヶ里をめぐる4人の偉大な医師(38巻5号)を書いたときに,佐野常民を短く紹介したことがある.しかし,この度,立派な記念館の紹介の意味もあって,佐野常民のことを書いてみた.
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