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私のカルテから
“心因性健忘”を疑われ救急外来より紹介された一過性全健忘の1例
A Case of Transient Global Amnesia Referred as “Psychogenic Amnesia” from Emergency Department
松永 みな子
1
,
村岡 稔史
1
,
上川 英樹
1
,
山田 茂人
1
Minako MATSUNAGA
1
,
Toshihumi MURAOKA
1
,
Hideki KAMIKAWA
1
,
Shigeto YAMADA
1
1佐賀大学医学部精神医学講座
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, Saga University, Saga, Japan
pp.1137-1139
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100339
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はじめに
一過性全健忘(Transient Global Amnesia;TGA)は外傷や脳血管障害など明らかな原因がなく,突然に著しい記銘力障害(前向性健忘)と過去の記憶障害(逆向性健忘)を呈し,意識障害や他の神経症状を伴わない短時間の健忘症候である。エピソードの最中は重篤な健忘症状を呈し,数分前に起こったことも忘れてしまい,何度も同じ質問を繰り返すなど特徴的な症状のため家族・本人を不安にすることが多いが,24時間以内には自然と消失するとされている。
今回,我々は“心因性健忘”を疑われ救急外来より紹介された一過性全健忘の1例を経験したので報告する。
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