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Seishin Igaku Volume 47, Issue 4 （April 2005）

精神医学 47巻4号（2005年4月発行）

Japanese English

私のカルテから

高齢期に慢性うつ状態を呈し，腺腫摘出後劇的な改善を認めた原発性副甲状腺機能亢進症の1例 A Case of Primary Hyperparathyroidism Presenting Chronic Depressive State in an Old Age：Dramatic improvement after parathyroidectomy 小林桜児 ^1,2 , 三浦興一郎 ^1,3 , 安田秀 ¹ , 松本俊彦 ⁴ , 平安良雄 ⁵ Ohji KOBAYASHI ^1,2 , Koichiro MIURA ^1,3 , Suguru YASUDA ¹ , Toshihiko MATSUMOTO ⁴ , Yoshio HIRAYASU ⁵ ¹NTT東日本伊豆病院 ²神奈川県立精神医療センターせりがや病院 ³沼津中央病院 ⁴国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部 ⁵横浜市立大学大学院医学研究科精神医学教室 ¹NTT East Izu Hospital ²Serigaya Hospital, Kanagawa Prefectural Psychiatric Medical Center ³Numazu Chuo Hospital ⁴Division of Forensic Psychiatry, National Institute of Mental Healty, National Center of Neurology and Psychiatry ⁵Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine pp.431-433

発行日 2005年4月15日 Published Date 2005/4/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100053

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Abstract 文献概要
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はじめに

　原発性副甲状腺機能亢進症(primary hyperparathyroidism，以下pHPT)は，悪性腫瘍と並んで高カルシウム (Calcium，以下Ca) 血症を呈する主要な疾患であり，中高年の女性に好発する。線維性骨炎，腎結石，消化性潰瘍などの典型的症状以外に，多彩で非特異的な精神・身体症状を呈することも多い。特に高齢者の場合，加齢に伴う症状や精神疾患などと誤解される可能性があり，リエゾン精神医学の現場においては重要な問題である。

　今回，我々は7年間に及び遷延した抑うつ状態を経て，pHPTが発見され，腺腫摘出後，劇的な症状の改善をみた高齢女性の症例を経験したため，ここに報告する。