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特集 気管支喘息と受容体
サイトカイン受容体
Cytokine Receptors
山口 悦郎
,
川上 義和
Etsuro Yamaguchi
,
Yoshikazu Kawakami
pp.1161-1168
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910074
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はじめに
サイトカインとは主に免疫・血液系細胞より産生され,それらの細胞の分化や増殖を調節するとともに,他のサイトカインや免疫グロブリン産生を誘導することによって,生体の感染防御や恒常性の維持にあずかる糖蛋白質の総称である.その作用は多様(pleiotropic)であるとともに,重複的(redundant),すなわち異なったサイトカインが類似の作用を発揮することが特徴である.サイトカインの作用は言うまでもなく個々に特異的な受容体と,細胞内シグナル伝達経路によって規定される.一般に受容体はいくつかの機能的単位に分けることができる.すなわち,リガンドであるサイトカインが結合する部位,細胞内シグナルを発生するエフェクター,リガンドの結合をエフェクターに伝達するトランスジューサーなどである.これらの機能は,受容体を構成するいくつかのサブユニットに分担されていることが多い.前述したサイトカイン機能の重複性は,近年サブユニットの共有の点から説明できることが明らかとなった.
北村によると,サイトカイン受容体はその構造から7つのタイプに分類できる1)(表1).このうち狭義のサイトカイン受容体として,一般にはI型受容体をさす.
本稿ではそのI型受容体を中心に,受容体の構造とシグナル伝達について概説する.
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